登山を始めて1年、初心者が高尾山→丹沢→北アルプスへステップアップした記録

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

登山を始めて1年、初心者が高尾山→丹沢→北アルプスへステップアップした記録

去年の春、会社の健康診断で「運動不足」と指摘されたのをきっかけに登山を始めた。最初は「山に登る」というより「ちょっとしたハイキング」のつもりだったが、1年後には北アルプスの稜線を歩いていた。我ながら思い切った展開だったと思う。

この1年間で感じた「こういう順番で進めばよかった」「この失敗はしなくてよかった」を、時系列で残しておく。

スタートは高尾山——「登山ってこういうものか」の基準を作る

最初に選んだのは高尾山の1号路。東京からアクセスがよく、舗装された道で危険箇所も少ない。普通のスニーカーで行ける山だと言われているが、最初からモンベルの登山靴を購入していた。

正直言えば、最初から登山靴を買ったのは少し早かったかもしれない。でも高尾山で試し履きができたのはよかった。足首のサポートの有無でどれだけ疲れ方が変わるかを、そこそこハードな山に行く前に体験できた。

買ったのはモンベルのタイオガブーツ。軽登山靴のカテゴリで、3号路や稲荷山コースでも問題なく使えた。店員さんに「3E幅の方が足に合っている」と言われて試したら確かに楽で、登山靴は試着なしの通販購入は絶対にすすめないと思った。

高尾山を3回登った。1号路、6号路、稲荷山コースと変えながら、同じ山でも道が違えばまったく別の体験になることを知った。このくらいの山で「山のルール」を一通り体に入れるのが最初のステップとしては正解だと思う。

丹沢へ——本格的な山の洗礼

高尾山を3回こなして「少し慣れた」気になっていた秋に、丹沢の大山に挑戦した。これが想像以上にきつかった。

標高は1252m。高尾山の599mの倍以上ある。登山口から山頂までの累積標高差は800m近い。到着した瞬間に「これが本当の登山か」と実感した。足が笑い始めたのは下りで、ひざへの負荷が予想を超えていた。

このとき、ストックの重要性に気づいた。友人が持っていたブラックダイヤモンドのトレイルストックを借りたら、下りのひざへの衝撃が明らかに減った。翌週にモンベルでトレッキングポールを購入した。

装備面で反省もあった。地図を持っていかなかったこと。スマートフォンのYAMAPアプリに頼っていたが、電波が弱い場所ではGPSがうまく動かなかった。紙の地図とコンパスも必要だと痛感した。丹沢を何度か歩くうちに、地図読みの基礎を独学で身に着けた。

丹沢は蛭が多い山域としても有名で、夏に行ったとき靴下に3匹ついていた。虫よけスプレーだけでなく、ゲイターの必要性もここで学んだ。

天気の読み方——ここが一番大事だった

丹沢に4回ほど通う中で、一番変わったのは天気に対する意識だった。

山の天気は平地と違う。晴れ予報でも稜線では強風が吹き、午後から急に雷雨になることがある。最初は天気予報アプリをそのまま信じていたが、山専用の「てんくら(てんきとくらす)」と「Mountain Forecast」を使うようになってから行動の安全性が上がった。

「稜線で風速10m以上なら行かない」「雷確率20%以上なら計画変更」という自分なりの基準を作った。特に雷は本当に危険で、稜線上では逃げ場がない。丹沢の塔ノ岳で遠くに雷が見えたとき、足早に下山したことで事なきを得た経験がある。

山小屋デビュー——燕岳で初の泊まり登山

北アルプスに挑戦したのは、登山を始めて10ヶ月目のことだった。行き先は燕岳。北アルプスの入門とも言われるルートで、燕山荘という評判の高い山小屋がある。

前泊で安曇野市内のゲストハウスに泊まり、翌朝4時30分に中房温泉の登山口を出発した。合戦尾根の急登で足が止まりそうになりながら、途中の合戦小屋でスイカを食べて回復した(山で食べるスイカがなぜあんなにうまいのかは今も謎だ)。

燕山荘に着いたのは12時過ぎ。稜線から見た槍ヶ岳の迫力に、思わず声が出た。山小屋泊は布団1枚を他の登山者とシェアする場合もあるが、このときは個別スペースが確保されていた。夕食のカレーは山小屋価格でも十分うまかった。

ここで気づいたのは、ウェアの大切さだった。稜線では気温が10度を下回り、8月なのにフリースを着込んだ。モンベルのレインウェアとダウンジャケットがなければかなり辛かったと思う。綿素材のシャツは汗で濡れると体温を急激に奪う。「山では綿を避ける」という知識は事前に仕入れていたが、実際に経験するとその重要性が腑に落ちた。

装備の変遷——1年間で変わったもの

1年間で装備はかなり変わった。最初に買ったモンベルのタイオガブーツは今もメインで使っている。丈夫で軽く、ハイキングから稜線歩きまで対応してくれた。

ザックは最初に30Lのものを買ったが、日帰りには大きすぎて使いにくかった。その後20Lの日帰り用と40Lの泊まり用の2本体制にした。グレゴリーの20Lザックは背負い心地がよく、日帰りのメインになっている。

ウェア面では、モンベルのメリノウールのベースレイヤーに切り替えてから体温管理が楽になった。臭いも出にくいので連泊の際も快適だ。

1年間で学んだこと、一番重要なこと

登山で一番重要なのは「引き返す勇気」だと1年かけて実感した。何度か「天気が崩れそう」「足が予想以上に疲れた」「計画と時間がずれてきた」という場面があり、そのたびに撤退を選んだ。

登頂できなくても、安全に帰れれば「また来られる」。山は逃げない。この当たり前のことが、実際の登山中に判断できるようになるまで何回かかかった。

来年は剱岳に挑戦するつもりだ。もう少し体力とルートの読み方を磨いてから。焦らず、着実に。登山はそうやって積み上げていくものだと思っている。

タイトルとURLをコピーしました